1.おふくろさん
作詞:川内康範
作曲:猪俣公章
おふくろさんよ おふくろさん
空を見上げりゃ 空にある
雨の降る日は 傘になり
お前もいつかは 世の中の
傘になれよと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない
おふくろさんよ おふくろさん
花を見つめりゃ 花にある
花のいのちは 短いが
花のこころの 潔ぎよさ
強く生きよと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない
おふくろさんよ おふくろさん
山を見上げりゃ 山にある
雪が降る日は ぬくもりを
お前もいつかは 世の中に
愛をともせと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない
2.女のためいき
作詞:吉川静夫
作曲:猪俣公章
死んでもお前を離しはしない
そんな男の約束を
嘘と知らずに信じてた
夜が夜が夜が泣いてる
ああ 女のためいき
どうでもなるよになったらいいと
思いなやんだ時もある
なににすがって生きるのか
暗い暗い暗い灯影の
ああ 女のためいき
男と女の悲しいさだめ
なんで涙がつきまとう
ほれているから憎いのよ
未練未練未練一つが
ああ 女のためいき
3.命かれても
作詞:鳥井実
作曲:彩木雅夫
惚れて振られた 女の心
あんたなんかにゃ わかるまい
押え切れない 淋しさは
死ぬことよりも つらいけど
なぐさめなんかは 欲しくない
みんなあんたが おしえてくれた
酒もタバコも うそまでも
泣かぬつもりで いたけれど
裏町ギターの あの唄に
今夜はしみじみ 泣かされる
こんどこそはと 命をかけて
惚れてみたけど 駄目だった
女の青春を唇を
返してくれとは 言わないが
死ぬまで愛して 欲しかった
4.盛り場ブルース
作詞:藤三郎
作曲:村上千秋
咲いて流れて散って行く
今じゃ 私も涙の花よ
どこにこぼした まことの涙
さがしたいのよ 銀座 赤坂 六本木
お酒飲むのも なれました
むせるタバコに あなたを忍ぶ
小雪はらって 今夜もひとり
酔ってみたいの 洞爺 すすきの 定山渓
酔ってもえてる この腕に
あなたならばと 瞳をふせる
想い出させる 七夕の夜
恋の細道 青葉 国分 一番町
泣けぬ私の 身がわりに
ついだお酒が この手をぬらす
夜のお城の つれない風に
髪も乱れる 栄 今池 広小路
通り雨には すがれない
いっそ 明日が来ないでほしい
すがるこいさん 涙にぬれて
帰るあてなく 南 曾根崎 北新地
路地のひかげの 小石でも
いつか 誰かがひろってくれる
願いをかけた チャペルの鐘が
今日もせつない 薬研 八丁 本通り
グラス片手に 酔いしれて
夢のあの日が お酒に浮かぶ
ぐちも言います 人形だって
誰がなかせる 中洲 天神 柳町
流れたくない 流れたい
愛したくない 愛していたい
何を信じて 生きてく女
春はいつくる 渋谷 新宿 池袋
5.花と蝶
作詞:川内康範
作曲:彩木雅夫
花が女か 男が蝶か
蝶のくちづけ うけながら
花が散るとき 蝶が死ぬ
そんな恋する 女になりたい
花が咲くとき 蝶が飛ぶ
蝶が死ぬとき 花が散る
春を競って あでやかに
どちらも どちらも 命を賭ける
花のいのちは 短いけれど
蝶のいのちも はかなくて
花が散るとき 蝶が死ぬ
そんな恋する 二人になりたい
6.ひとり酒場で
作詞:吉川静夫
作曲:猪俣公章
ひろい東京に ただ一人
泣いているよな 夜が来る
両手でつつむ グラスにも
浮かぶいとしい 面影よ
夜の銀座で飲む酒は
なぜか身にしむ 胸にしむ
嘘で終わった 恋なんか
捨てて忘れて しまいたい
男の意地も おもいでも
流せ無情の ネオン川
夜の銀座で飲む酒は
なぜか身にしむ 胸にしむ
暗い東京の 酒場でも
夢があるから 酔いにくる
今夜はとても 淋しいと
そっとあの娘が 言っていた
夜の銀座で飲む酒は
なぜか身にしむ 胸にしむ
7.年上の女
作詞:中山貴美
作曲:彩木雅夫
だから分って ほしいのと
そっとからんだ 白い指
放したくない つらいのよ
だめよだめだめ つらいのと
泣いてすがった 年上の女
髪の乱れの ひとすじに
甘い香りを 残してた
胸のしんまで もえたのよ
だめよ だめだめ いけないと
いのち燃やした 年上の女
燃えるせつなさ 苦しさを
そっとおしえた 雨の夜
二度と逢っては いけないわ
だめよ だめだめ つらいのと
涙で別れた 年上の女
8.港町ブルース
作詞:深津武・なかにし礼
作曲:猪俣公章
背のびして見る海峡を 今日も汽笛が遠ざかる
あなたにあげた 夜をかえして
港、港 函館 通り雨
流す涙で割る酒は だました男の味がする
あなたの影を ひきずりながら
港、宮古 釜石 気仙沼
出船 入船 別れ船 あなた乗せない帰り船
うしろ姿も 他人のそら似
港、三崎 焼津に 御前崎
別れりゃ三月 待ちわびる 女心のやるせなさ
明日はいらない 今夜が欲しい
港、高知 高松 八幡浜
呼んでとどかぬ人の名を こぼれた酒と指で書く
海に涙の ああ愚痴ばかり
港、別府 長崎 枕崎
女心の残り火は 燃えて身をやく桜島
ここは鹿児島 旅路の果てか
港、港町ブルースよ
9.襟裳岬
作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
北の街ではもう 悲しみを暖炉で
燃やしはじめてるらしい
理由(わけ)のわからないことで 悩んでいるうち
老いぼれてしまうから
黙りとおした 歳月(としつき)を
ひろい集めて 暖めあおう
襟裳の春は 何もない春です
君は二杯めだよね コーヒーカップに
角砂糖をひとつだったね
捨てて来てしまった わずらわしさだけを
くるくるかきまわして
通りすぎた 夏の匂い
想い出して 懐かしいね
襟裳の春は 何もない春です
日々の暮らしはいやでも やってくるけど
静かに笑ってしまおう
いじけることだけが 生きることだと
飼い馴らしすぎたので
身構えながら 話すなんて
ああ おくびょう なんだよね
襟裳の春は 何もない春です
寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ
10.新宿・みなと町
作詞:麻生香太郎
作曲:西谷翔
新宿はみなと町
はぐれ者たちが 生きる辛さ
忘れて酒をくみかわす町
人を押しのけて生きてゆくより
安い酒に酔いたいね
新宿… 新宿… 新宿みなと町
新宿はみなと町
心焼き尽(つく)し 背中まるめ
見果てぬ夢を語りつぐ町
誰もさみしさが苦いのだろう
俺に似てるやつばかり
新宿… 新宿… 新宿みなと町
新宿はみなと町
旅に出たやつも 流れ者も
いつかはふらり舞いもどる町
生きて行くことは上手(うま)くなくても
どこか優しい仲間たち
新宿… 新宿… 新宿みなと町
11.冬のリヴィエラ
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
彼女(あいつ)によろしく伝えてくれよ
今ならホテルで寝ているはずさ
泣いたら窓辺のラジオをつけて
陽気な唄でも聞かせてやれよ
アメリカの貨物船が
桟橋で待ってるよ
冬のリヴィエラ 男って奴は
港を出てゆく船のようだね
哀しければ 哀しいほど
黙りこむもんだね
彼女(あいつ)は俺には過ぎた女さ
別れの気配をちゃんと読んでて
上手にかくした旅行鞄に
外した指輪と酒の小壜さ
やさしさが霧のように
シュロの樹を濡らしてる
冬のリヴィエラ 人生って奴は
思い通りにならないものさ
愛しければ 愛しいほど
背中合わせになる
皮のコートのボタンひとつ
とれかけて サマにならない
冬のリヴィエラ 男って奴は
港を出てゆく船のようだね
哀しければ 哀しいほど
黙りこむもんだね
12.紐育物語
作詞:松本隆
作曲:松本隆
スーツ・ケースに腰をおろして
マイアミゆきのバスを待つのさ
小雨色した バスターミナル
自分の影を話相手に
Manhattan in the rain 30年生きちまったね
Manhattan in the rain 人生の残り半分
せめておまえと暮らしたいけど
夢さ…幻さ…
摩天楼に灯がともる
手の缶ビール 握りつぶして
負けた男は旅立つけれど
同情なんて投げないでくれ
それが俺には一番辛い
Manhattan in the rain あたたかいベットの中で
Manhattan in the rain 眠れたらそれもいいけど
冷たい雨に濡れるのもいい
夢さ… 幻さ…
摩天楼に灯がともる
Manhattan in the rain 30年生きちまったね
Manhattan in the rain 人生の残り半分
せめておまえと暮らしたいけど
夢さ…幻さ…
摩天楼に灯がともる
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